一般的なWindows用の構成に追加するハード
Hackintosh特有の追加パーツ
前回の記事で自作PC機のパーツ構成を紹介しましたが、実はこの構成はHackintoshのことを考えないで組んでいます。
Hackintoshのために追加したパーツは以下の通り。
- M.2 NVMe SSD SAMSUNG 960EVO 256GB
- SATA SSD SAMSUNG 850EVO 256GB
- SATA HDD Seagate Barracuda ST1000DM010 1TB
- Broadcom BCM94352Z
ハードディスク構成
M.2のSSDをmacOS用に、SATA SSDをWindows用に、1TBのHDDはTimeMachine用に割り当てました。
Windowsのシステムを入れていた4TBのHDDはSSDにクローンでコピー後、2TBずつに分割してWindowsとMacそれぞれのデータHDDにしました。
OSの入っているハードディスクなどは一つにまとめてパーテーションで分けてもいいのですが、勝手にEFIが書き換えられると面倒なので、物理的に分けた方が安全です。
TimeMachine用のHDDが内蔵できるのはHackintoshの強みです。足りなくなればいくらでも増設できます。場合によっては10TBとかのHDDを買って何ヶ月も前のバックアップから復旧とかもできますね。
ちなみに、MacとWindowsではディスクのフォーマット形式が違うので、認識はしていてもそれぞれ違うOSでフォーマットされているハードディスクに書き込みはできません。勝手に書き換えられることもありません。(EFIは別です)
HackintoshでWi-fiとBluetoothを使う
Wi-fi&BluetoothカードはZ370 taichiにもデフォルトで実装されています。しかし、Intelのチップセット(BluetoothのみBroadcomのチップが積まれている?)なので、Hackintoshでは使えません。Intel Wifiチップはkextがありません(あるにはありますが、通信ができません。そもそも開発が2年前で止まっています)
そこで実機で使われているBroadcom製のカードを使うのですが、安価でガイドも充実しているBCM94352を使いました。
BCM94352にもいくつかあるのですが、M.2を使うBCM94352Zを選びます。主に最近のノートPCに積まれているようで、Lenovoなどの保守部品が出回っています。3000円程度で購入できます。
ただし、普通のM.2とは切り欠きが違う(wifiカードはEタイプ)ので、Z370でwifiカードがデフォルトでささってるタイプのマザボを使うと、元々ささっているIntel製のカードを置き換えることで使うことができます。Z390やH370などではチップセット側にwifiとBluetoothが統合されたので、このM.2カードを置き換える方式が使えるかはわかりません。同じようにカードがささってるだけなら楽なのですが……
ちなみにアンテナがないと全くもって電波を拾ってくれません。MHF4という端子形状のアンテナケーブルを使う必要があります。
必要なKextとSSDT
Hackintosh側で使うkextは、FakePCIID.kextと、そのセットに含まれるFakePCIID_Broadcom_wifi.kext、AirPortBcrmFixup.kextそしてUSBInjectAll.kext、BrcmPatchRAM2.kextとBrcmFirewareRepo.kextです。
BrcmPatchRAM2.kextとBrcmFirewareRepo.kextはS/L/Eに入れる必要があるみたいです。それ以外はEFIのClover/Kext/otherに入れておけば大丈夫です。
AirDropやHandoffを使うにはssdt-arptというSSDTが必要なので、GitHubからダウンロードしてSSDTフォルダに入れます。これでフルで使えるようになります。
ちなみに、WindowsではWindows updateがドライバを拾ってきてくれます。特に設定しなくてもwifiもBluetoothも認識します。
使ってみる…セットアップに苦労した話
私がIntelのチップセットから換装した際、Bluetoothは認識したのですが、WifiはBIOSレベルで認識をしていませんでした。Bluetoothのみしかデバイスマネージャーに出てこなかったのです。
しかし、Hackintosh側でKextを入れたり、windows側でNIC用のドライバを入れたり、色々と試行錯誤して、一晩置いたら認識するようになりました。不思議な話です。何かしら不具合があったのでしょう。なにはともあれ現在は安定して使用できています。