巻きでメモ

ハード・ソフト面でのメモとか。

デュアルXeon-SPでMacPro7,1っぽいBuildは作れるか?

あらすじ

9900K+Radeon VIIのBuildをしてから早9ヶ月、macmini8,1 Buildは約1年、そして初めて自作をした8700K+1070tiは2年が立ってしまいました。
ちなみにMacbook Pro2016は4年目に突入しています。

昨年の末に第三世代Threadripperが出てからというものの、その圧倒的な性能で"Windowsの"映像クリエイターはみんなそっちに移ってしまいました。
Hackintoshに使えるCascade Lake-Xが対抗策として9980XEなどに比べ半額になり、10980XEが我らお金がそこまでたくさんあるわけでは無い勢でも手が出るようになりました。
当然わたしも16万で18コア5.0GHzOCが可能でマザボも豊富な10980XEが欲しいと思った時期もあったものの、Threadripperに敵わない&出荷量が本当に少ないのがどう見てもわかっていたので途中で考えるのをやめました。
あと使うSMBIOSもiMacPro1,1で代わり映えしない上に2017年モデルの名前をいつまでも使いたくないし。
そこで、新しく出たMacPro2019を参考にしつつ、そういえばもっと上があるじゃんみたいなノリでXeonを調べ始めるのでした。

今回の記事は試していない理論上の話なので、あくまでも参考にしてください。実際にやる場合はよくTonyさんなどのサイトを見てください。

Hackintoshで使えそうなXeon

ここでは2020年時点での14nm世代以降のXeonに限ります。

間違いなく動く

使えるかわからない(情報が皆無だがおそらく大丈夫)

まず、確実に使えるのはW-2100系とW-3200系で、これらはそれぞれiMacPro1,1とMacPro7,1の実機に積まれています。
間違いなくPower managementが効きます。
W-2100と同様のアーキテクチャとプラットフォームを使っている関係でSkylake〜Cascade Lake-Xが使えるのでしょう。
W-2200は2100のリフレッシュ版なのでそのまま行けるでしょう。
一旦LGA3647は置いておいて、Xeon-Eですが、これは情報が本当にないのですが、Z390などの一般向けのマザボでも動く上、Core-iとほぼ同じなので、動く気がします。
LGA3647は動作報告が多くあります。これは主にMacPro7,1が出てC620/C621系統のチップセットがサポートされたからに他なりません。

CPUID

動くかどうかの見分け方ですが、CPUIDというものがあります。Clover Configuratorにも項目があります。
これに関しては長くなるので、別の記事を書きました。そちらを参考にしてください。

makinok.hatenablog.com

これを参考にすると、使えそうなCPUIDは50654,50655,50656,50657となります。

forums.macrumors.com

なお、MacPro7,1実機で使えるCPUIDについてはここでも言及されています。
実機の場合、Xeon W-3100系は50654となるのでMacPro7,1に使用しても弾かれます。

SMBIOS

SMBIOSとCPUIDの関係ですが、実機と全く同じ組み合わせじゃなくても大丈夫です。現に私は9900K(906EC)+Z390をiMacPro1,1(本来のCPUIDは50654)で使用しています。
コア数よりチップセットの機能が近いものに合わせるほうが無難だと思います。
つまりLGA3647はMacPro7,1、LGA2066はiMacPro1,1、LGA1151はiMac19,2やmacmini8,1ですね。

デュアルXeon-SP

今回は先ほど挙げたCPUの中で、デュアルCPUができるXeon-SPに焦点を当てて考えてみます。
Xeon-SPにはすでに2世代あり、Skylake-SPが初代で、Cascade Lake-SPは二代目です。 そのうち、実機と同じCPUID50655〜50657を採用したCascade Lake-SPはMacPro7,1としてBuildするのに適しているでしょう。

デュアルCPUをするメリットはいくつかあります。

  • コア数を増やしやすい
  • PCIeレーンが増える
  • メモリの物理数も増やせる
  • 単純にパッケージが2倍になるので冷却効率も2倍
  • 片方が故障しても交換すれば大丈夫

このうち、注意をしなくてはいけないのはコア数/スレッド数です。
macOSは64スレッドまでしか対応してないようです。
ですので、デュアルソケットでは18コア以上は使えず(BIOSで16コアになるまでいくつかコアを無効化する必要がある)、28コア56スレッド×2などができません。 今はできませんが、ThreadripperでHackintoshをする場合も3990Xは使えないんですね。
今後デュアルソケットが出たりそもそものコア数が増えてそれがMac Proに搭載されたら事情は変わると思います。
と書いたところでGeekbenchでXeon Gold 6139x2で36コア動作を見つけてしまったのですが、これはHTTを切っているのでしょうか……………
Xeon Gold 6139=6140のカスタマイズ版

PCIeレーンは1CPUにつき48本出ているので、合計で96本手に入ります。そのうち4レーンはチップセットに持っていかれるので、92レーンです。
64レーン持っているXeon W-3200よりも圧倒的に多いですね。
x16を4個+x8を3本とか普通にできます。その上でNVMeを3本出せたりします。恐ろしい本数です。
なおRaid On CPUも使えるのでx16に搭載したM.2x4 Raidカードを使えば爆速のストレージが手に入りますね。それでなおグラボも複数枚積めます。

メモリは6chx2なので、最大24までの対応です。しかしマザボスペースの関係上もっと少ない数が主流です。

CPUとマザボを選ぶ

まずはCPUです。

  • Xeon Gold 6242(16c32t)
  • Xeon Gold 5218(16c32t)
  • Xeon Gold 6256(12c24t)
  • Xeon Gold 6246(12c24t)
  • Xeon Gold 6226(12c24t)
  • Xeon Gold 5215(10c20t)
  • Xeon Gold 6244(8c16t)
  • Xeon Gold 6234(8c16t)
  • Xeon Gold 6224(8c16t)
  • Xeon Gold 5222(8c16t)
  • Xeon Gold 6240Y/C(18c36t)
  • Xeon Silver 全般

このうち、Xeon Gold 6240Y/Cについては、SSTといってコア数に応じてベースクロックを上げられる機能がついているため、公式にコア数を下げることがサポートされています。
14c28tとして高クロック動作ができるので入れておきました。
その他のモデルはシングルソケットでは使用してもいいですが、デュアルの場合18コア以上はその費用と無効にするコア数との兼ね合いで価値が見出せません。 なお、XEON-SPってめっちゃ高いんですが、その上2つも買うので大変です。
Ebayを探すとES/QSがたくさん安価で転がっていますが、ESは手を出すと悲惨らしいです。
買うならQS(きちんとCPU NAMEが出て、名前の後ろに(ES)と出るもの)を選んだ方が良いみたいです。
そのQSでもマザボによっては動かない可能性があるのできちんと出品者に問い合わせるといいと思います。いや、本当に検証してくれるかはわかりませんが。

マザボは、

あたりが候補でしょうか。 ASUS WS C621E SAGEは使用している人も多く、国内流通もあります。
しかしTHB_C端子が削除されているので、個人的には痛いと思います。
Thunderbolt3を使用しないでDPやU.2やSATAホットスワップ運用する人などにはいいのではないでしょうか。

GIGABYTE C621-WD12とSupermicro X11DAi-NはしっかりとTHB_Cを使えます。 C621-WD12はCPUが水平で揃っていてメモリ12本、X11DAi-NはCPUが少しずらしてあってメモリ16本です。
好みによると思いますが、水冷ならC621-WD12、空冷またはメモリ多めがいいならばX11DAi-Nでしょう。
基盤の色もASUSGIGABYTEは黒、Supermicroは緑なので、強化ガラスケースに入れると統一感など気になるかもしれませんね。
なおESやQSを使うならBIOSが対応しているSupermicroの方がいいと言う話もあります。

拡張スロットの話

デュアルソケットのGPUの扱いは結構めんどくさいようで、CPU2側に挿した方がメインGPUになってBIOS起動時にそっちが優先されるだとか、マザボによって変わるみたいです。
GPU二枚挿す時も同じCPUにそろえるだとか揃えないだとか……………
これは実際に組む際に気をつけたいと思います。

ECCメモリ

C621で気をつけなくてはいけないのは、non-ECCが使えるマザボは本当に少ないということです。
C621でnon-ECCが使えるのはASUS ROG Dominus ExtremeとGIGABYTE C621 AORUS XTREMEだけです。デュアルソケットでは使えません。
光るメモリとか使えない、それ以上にヒートスプレッダ付きのメモリはないので気をつけましょう。

つまりデュアルソケットにするとマザボ自体光らせるのが難しいです。3pin ARGB端子もないので、光らせたいならCorsair Commanderとか使いましょう。

まとめ

デュアルソケットでMacPro7,1Buildはできそう!
実際に動かした人がGeekBenchにもいるので、Buildできるでしょう。
夢がある話ですね。いかんせんQSだとしても1個8万、マザボ8万、メモリ192GBで8万、Radeon VII買い足したら9万、SSDたくさん買えばその分アップ、でっかい電源も買わなきゃ、本格水冷やケースも買わなきゃ、ファンもRGBも………となるので作れるのは数年単位になりそうですね。それでも全然Mac Pro買うより安いんですけどね。